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1996年の初代ステップワゴン登場からはや22年、2015年登場の5代目現行ステップワゴンは、月平均5000台を売る量販車種で、ホンダにとってはフィット、フリード、ヴェゼルに次ぐ4番目の量販車種です。
ファミリー層に人気のこのミニバン、その信頼性は?リコール最新情報から紐解き、まとめてみました。
ホンダステップワゴンの不具合はエンジン?ブレーキ?どこにあった?
引用:https://ucar.honda.co.jp/detail/HOT000881181/
2016年の国土交通省資料によると、国内自動車メーカーが届け出たリコールの装置別件数は、多い順に、動力伝達装置、原動機、電気装置、制動装置になっています。
2018年9月時点で、ステップワゴンの2018年届け出リコールは、1件だけで、それはブレーキです。
このリコール対象部品は、制動装置の構成部品であるマスターシリンダーです。
マスターシリンダーは、十分なブレーキ力を発生させるために必要な部品で、ブレーキペダルに加えられたブレーキ踏力を倍力する機能を担う重要保安部品です。
不具合発生のメカニズムは、ブレーキマスターシリンダーのセカンダリーカップと呼ばれる部品の材質と形状が不適切なため、カップがリザーバータンクホースからブレーキ液中に溶け出した可塑剤により膨らみやすくなり、走行中のエンジンからの熱影響により膨張することで変形し、シール性能が低下して、ブレーキペダルをゆっくり踏むとシール部からブレーキ液が漏れるというものです。
この現象が起きるとブレーキ液がもれてブレーキ力そのものが損なわれてブレーキが利かなくなる恐れがあるために、リコールになりました。
リコール修理の内容は、ブレーキマスターシリンダーアッセンブリーの対策品への交換です。
対象車両は、平成27年4月から平成29年8月の間に製造された約13万台です。販売台数統計からみても、既販車のほぼ全数が対象とみてよさそうです。
対象車番は、ホンダのHPに出ているので、ご自身の車両が該当するのかどうかは、車検証に記載されている車番と照合すれば可能です。
ちなみにこのリコールは、フリードとフリード+でも同内容で届け出されています。
2018年中のステップワゴンを対象としたリコールはこれだけで、発売後3年を過ぎた現行5代目としてもこの不具合1件だけです。
フィットハイブリッドで度重なるリコールをだしたホンダとしては、発売後3年を経過して1件のブレーキ関連部品のリコールで済んでいるのは、重要不具合が少ない車種と言えるかもしれません。
一般的にリコール件数の多い、エンジン、トランスミッション、電気系統のリコール届け出もありません。
話題になったタカタ製エアバッグのリコール対象車種にステップワゴンは含まれていなかったのも幸いでした。
結局のところ、5代目ステップワゴンは、重大不具合の少ない、信頼性の高い車種であると言えます。
参考に、ステップワゴンの名を冠した4代目以前のリコールについて、次節にまとめておきます。
ステップワゴンの2017年以前のリコールの内容
2017年以前の2005年まで振り返ると4件のリコールが届け出されています。
最近のものから順番に書きます。
2013年10月17年届け出 エンジン冷却装置(ウォーターポンププーリー)
引用:https://www.honda.co.jp/recall/auto/info/131017_3243.html
冷却装置の一部を構成するウォーターポンププーリーのリコールです。
不具合発生のメカニズムは、部品寸法の不良によりウォーターポンププーリーが摩耗して締結ボルトが緩み、ボルトが折損して補機ベルトが外れるというものです。
補機ベルトは、発電機を回すためにも使われているので、発電不良及び冷却不良が発生
し、警告灯が点灯するとともにエンジンが停止して再始動できなくなるおそれがあります。
修理内容は、ウォーターポンププーリーの正常品への交換です。
2008年9月4日届け出 舵取り装置(パワーステアリングポンプ)
引用:https://www.honda.co.jp/recall/auto/info/080904_373.html
舵取り装置の構成部品であるパワーステアリングポンプのリコールです。
不具合発生のメカニズムは、油圧式パワーステアリングポンプのベーン(羽根)先端部表面の硬化処理が不適切なため、摩耗粉が当該ポンプ内やオイルタンク内に詰まる場合があり、そのまま使用を続けると、ハンドルの操作力が増大するおそれがあるという内容です。
修理内容は、パワーステアリングポンプのシリアル番号を確認し、対象となるものはパワーステアリングポンプを良品と交換すると共に、パワーステアリングギヤボックス一式、フィードホース及びオイルタンクを新品と交換するという内容です。
2005年7月24日届け出 燃料装置(ジョイント)
引用:https://www.honda.co.jp/recall/auto/info/050721_1493.html
燃料装置を構成するジョイントのリコールです。
不具合発生のメカニズムは、燃料タンクのブリーザーホース継ぎ手部(クイックジョイント)の嵌合が不十分なため、クイックジョイントのシール(オーリング)性が損なわれて燃料満タン時にジョイント嵌合部から燃料が漏れるおそれがあるという内容です。
修理内容は、ブリーザーホースのクイックジョイント嵌合部を点検し、嵌合が不十分なものは正規嵌合状態にするというものです。
2005年7月24日届け出 かじ取り装置(ステアリングギアボックス)
引用:https://www.honda.co.jp/recall/auto/info/050721_1493.html
かじ取り装置を構成するステアリングギアボックスのリコールです。
不具合発生のメカニズムは、パワーステアリングギヤボックスをサブフレームに組み付けるボルトの締め付けトルクが不足します。
そのため、ステアリングの据え切り操作を繰り返し行うと当該ボルトが弛むものがあり、そのまま使用を続けると、当該ボルトが折損し、確実な操舵ができなくなるおそれがあるという内容です。
修理内容は簡単で、パワーステアリングギヤボックス締め付けボルトを正規トルクで締め付けるというものです。
ステップワゴンの2018年のリコール対応について
ステップワゴンのリコール対応も、国土交通省が定めているルールに沿って行われています。
リコールすることに決したら、ホンダは使用者及び自動車分解整備事業者に周知させるための措置をとります。
自動車整備事業社には、ホンダ系ディーラーや独立ディーラーが含まれますが、日整連発行の機関誌に掲載することで、周知させます。
使用者には、ダイレクトメールで通知します。
私自身も、過去何回かリコール通知を受け取っていますが、対応のしかたは、不具合の緊急度合いによって強弱がありそうで、私の場合は次回定期点検時に修理するのが常でした。
いずれにしても、可及的速やかに修理するのが賢明です。
連絡がきたら即ディーラーに連絡をとってください。
不具合をだしたメーカーであるホンダには、国土交通省に対策実施率を定期的に報告する義務があるので、ディーラーが修理を先延ばしすることはなく、リコール修理は優先的に実施されるはずです。
ステップワゴンは対象車ではありませんが、ホンダ系列であったタカタのエアバッグ不具合のケースでは、TV社告まで使った通知が行われました。
このケースでは、危険性が非常に高いという理由で対策未実施車両は期限を区切って車検を通さない特別処置が適用されています。
使用者として、リコール情報への感度は高めすぎることはありません。
ホンダも他社と同様、こちらのホームページ上でリコール情報を公開しています。
ご自身の保有車両がリコール対象になっていないかチェックできます。
なお、こちらの国土交通省のホームページからも、同様のリコール情報を入手できます。
ホンダに限ったことではありませんが、リコール対策実施済車には、運転者席側ドア開口部のドアストライカー付近に、リコール番号を表す番号が記されたステッカーが貼られます。
これは、対策が実施されたことを誰でもが確認できるようにするためのものです。
最後に、ホンダのHP上に記されたリコール入庫促進の案内分を、引用しておきます。
愛用の皆様には、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんが、Honda販売店からご案内させていただきますので、お早めに、最寄りのご愛用車取り扱い販売店へご来店日時をご予約いただき、点検・修理(無料)をお受けいただきますようお願い申し上げます。
愛用の皆様には大変ご迷惑をおかけ致しましたこと、心からお詫び申し上げます。
クルマに関するご質問はお近くのHonda販売店または、お客様相談センターへお問い合わせください。
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