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ファミリー層向けに、ミニバンという新しいジャンルを切り開いた初代から数えてすでに5代目のステップワゴン、その燃費向上の足跡をたどり、ユーザーができる更なる燃費向上の方策を探ります。
ステップワゴン、歴代(旧型から新型)のガソリン車の燃費の実際を比較
初代 RF1
引用:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a7/Honda_Step_WGN_001.jpg
5代目現行 RP1
引用:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1d/Honda_STEP_WGN_SPADA_Honda_SENSING_%28DBA-RP3%29_front.jpg/
初代ステップワゴンから現在の5代目に至るまで、一貫してガソリンモデルが展開されています。
最初に、ベイシックモデルともいえる、ガソリンFF車の燃費向上の足跡をたどります。
実燃費データは、ユーザー口コミ燃費サイトである、e-nenpiからとりました。
カタログ燃費は、初代登場時は、10・15モードでしたが、その後JC08モードに変わってしまったので、10・15モードの値を、JC08モードの値に換算しています。
換算は、併記されている2つのモデルの燃費値を比較して、10・15モードの値に0.96をかけてJC08モード相当燃費としています。
結果を見やすくするため、表中最上段を最古、最下段を最新のモデルとして並べたのが以下の表です。
表には、5代目で追加されたハイブリッド車も含んでいます。
発売年 | 世代 | 車種名 | 実燃費 | JC08燃費 |
1996 | 初代 | 2000cc(RF1) AT FF |
8.9 | 10.8 |
2001 | 2代 | 2000cc(RF3) AT FF |
8.4 | 12.1 |
2003 | 2代 | 2400cc(RF7) AT FF |
7.3 | 10.8 |
2003 | 2代 | 2000cc(RF5) AT FF |
8.6 | 11.5 |
2005 | 3代 | 2400cc(RG3) CVT FF |
8.7 | 11.7 |
2005 | 3代 | 2000cc(RG1) AT FF |
8.8 | 12.2 |
2009 | 4代 | 2000cc(RK5)CVT FF スパーダ |
10.2 | 13.4 |
2009 | 4代 | 2000cc(RK1) CVT FF |
10.7 | 15.0 |
2015 | 5代 | 1500cc(RP3)CVT FF ターボ SPADA |
10.8 | 15.7 |
2015 | 5代 | 1500cc(RP1) CVT FF ターボ |
11.4 | 16.6 |
2017 | 5代 | 2000cc(RP5)CVT FF SPADA ハイブリッド |
16.8 | 25.0 |
この表から、年を追うごとに着実に燃費が向上していることが解ります。
2000ccエンジン搭載車の燃費で見ると、初代の燃費8.9km/Lに対し、4代目の燃費は10.2km/Lへと、1.4km/L、率にして15%向上しています。
この間、JC08相当燃費の向上率は24%なので、カタログ燃費程には向上していないとも言えます。
現行モデルである5代目SPADAガソリン車の実燃費は、10.8km/Lで4代目スパーダからは、0.6km/L、率にして6%の向上です。
初代から5代目までの19年間で実燃費は、8.9km/Lから10.8km/Lへと1.9km/Lの向上、率にして21%の向上です。
概略、1年に0.1km/L、1% の燃費向上率と言えます。
ステップワゴン、歴代(旧型から新型)のハイブリッド車の燃費を比較
ハイブリッド車は、2017年にステップワゴンに追加されたばかりで、過去に比較する車種がありません。
今後のモデルチェンジでさらなる改良が図られるでしょうが、ここではガソリンモデルまで含んだステップワゴンの燃費改良の足跡として見てみます。
すでに、前段の表の最下段に5代目ハイブリッドの燃費も入っています。
見やすくするために、グラフにしてみました。
見ての通り、ハイブリッドの燃費は格段に優れています。
ガソリン車の燃費は、19年かけてやっと21%改良できたわけですが、ハイブリッド車は、同年式のガソリン車に対し56%も向上しています。
ハイブリッド技術が燃費を向上させているのが一目瞭然です。
では、なぜハイブリッドがこんなに燃費を向上させられるのか?
その理由は、燃費の良い運転方法とも密接に関係しています。
【ホンダ・ステップワゴン】燃費向上をさせるには!?運転の仕方はとても重要
引用:https://www.honda.co.jp/STEPWGN/
ユーザーが自身のクルマの燃費を向上させる方法は、大きく2つに分けられます。
①クルマそのものから燃費を悪くする要因を取り除くこと
そのためには、まず不要な荷物を降ろしてクルマを軽くすることです。
事情はあるでしょうが、ゴルフバッグの積みっぱなしや、非常用飲料等の重い荷物をトランクに積みこんでいるのは、燃費悪化の一因です。
市街地走行がほとんどのケースなら、燃費は車両の総重量に大よそ比例するので、約1.6トンの車両重量のステップワゴンでは、16kgの余計な荷物は1%の燃費悪化につながります。
タイヤの選択も、燃費に影響します。
一般的には、高グリップのタイヤは転がり抵抗が大きく、燃費には不利です。
燃費をよくしたいなら、エコタイヤと呼ばれるカテゴリーのタイヤを勧めます。
スタッドレスを通年で履くようなことは、もちろんのこと避けるべきです。
ほとんどのエアロパーツは、燃費向上の役には立ちませんが、リアゲートに取り付けるリアスポイラーは、高速道路走行の機会が多い場合には、少し効果があります。
クルマのコンディションを整えることも重要です。
タイヤ空気圧を、メーカー推奨値に保つことは効果的です。
低すぎる空気圧は、燃費悪化を招くだけでなくタイヤの寿命を縮めます。
エンジンオイルとフィルター類の交換も推奨インターバルにそって、定期的に行ってください。
見逃されがちですが、エアコンのフィルター目詰まりも燃費悪化の原因になります。
②燃費を向上させる運転の仕方
ステップワゴンに限らず、どんなクルマにも共通する基本となる省燃費運転法があります。
AT車であれば、アクセルとブレーキの操作に集約されます。
アクセル操作の基本は、なるべく浅くゆっくり踏み込むことです。
この反対は、無駄な燃料消費とエンジン効率悪化に結びつきます。
周囲の交通の流れに調和した加速と速度を得る最低限のアクセル踏み込みで済ませるのが省燃費運転法の基本です。
この点で、ECONスイッチが助けになります。
引用:https://www.honda.co.jp/eco-assist/ECON/
3代目以降のステップワゴンには、このスイッチが付いています。
このスイッチをオンにすれば、エンジン出力が制限されトランスミッションのシフトポイントが下がって加速が鈍くなりますが、周囲の交通流を乱すほどではありません。
現行の5代目であれば、同時にエアコンも省燃費モードになり、アイドルストップも働き、総合的に省燃費運転の助けになるはずです。
もし、ECONでイライラするとしたら、普段からの自身の運転が周囲との調和を乱していないか、自問してみてください。
ブレーキ操作の基本は、無駄なブレーキを踏まないことです!
極端な言い方をしましたが、燃費のためには、なるべくブレーキを踏まないで済ませることが大変有効なのです。
それには、周囲の交通流に調和しつつ、先を読んだ運転が求められます。
先の信号が赤なのに、そこまで急加速・急減速までして急ぐのは燃料を沢山使うだけで時間の節約にもなりません。
ゆっくり加速してゆっくりエンジンブレーキで減速して停車するのが得です。
高速道路の料金所や、SAに入る時などもなるべく長い距離をエンジンブレーキだけで減速すれば、燃料節約になります。
ブレーキに関しては、ハイブリッドと普通のガソリン車では、一寸事情が変わってきます。
ハイブリッド車では、ブレーキペダルを踏むと発電機が発電し、溜まった電力は次の発進加速時にモーター出力として回生される仕組みです。
この仕組みがハイブリッド車の燃費が優れる主な理由なのですが、裏を返せば、ブレーキの踏み方の重要性は、ガソリン車程ではないとも言えます。
ただし、ハイブリッド車といえども、回生効率はせいぜい80%程度なので、停車しないで済ますのが一番省燃費であることに変わりはありません。
高速道路では、スピードを出しすぎないことが肝要です。
空気抵抗は速度の2乗に比例して大きくなり、燃費悪化を招きます。
113km/hは、80km/hの1.4倍のスピードですが、空気抵抗は2倍です。
ただし、高速道路を100km/h以下のスピードでゆっくり走る際には、気にかけなければならないことがあります。
今、高速道路上を走る大型トラックにはSLDという装置が装着されていて、最高90km/h以上でないようになっています。急な降り坂では惰行状態でこれ以上のスピードが出てしまいますが、大部分の区間では90km/hが上限スピードです。
乗用車が90km/hより少し低いスピードで走っていると、大型トラックが追い抜きするのに長い距離を必要とし、交通渋滞の原因にもなりかねません。
よく、トラックがトラックを追い抜くために、中央車線や追い越し車線を占有することで、クルマが詰まっているのに遭遇しますが、同じことを招く原因になりかねません。
省燃費のために、低いスピードで走行車線を走る時には、このような交通流のクセを知って、大型トラックの後ろを90km/h付近で、適切な車間で追走するか、いっそのこと80km/h~85km/hで走るのがいいでしょう。
大型トラックからも追い抜きやすく邪魔にもなりにくく、燃費も向上し運転疲労も減ります。
適切な車間距離を保って、無用な加減速をしないことも重要です。
例えば80km/hから90km/hに加速するには、停車から41km/hまで加速するのと同じだけのエネルギーが必要です。
多くのステップワゴンには、渋滞追従機能付ACCというオートクルーズが装着されています。
これは、前方に車両がいるときには適切な車間距離を保つように速度を自動制御する装置で、前に車がいなければ設定した一定速を保ちます。
この装置のオンオフスイッチはハンドルに付いていて、便利で省燃費に有効なのですが、使用に際しては慣れを必要とします。普段よく運転しているメインのドライバーにとっては、良い装置ですが、たまにしか運転しないサブのドライバーには、お勧めしません。
安全に使うためには、制御のオンとオフのクルマの挙動変化に慣れる必要があるからです。
よく言われることですが、同じクルマで、同じルートを走っても、ドライバ―によって燃費は軽く10%以上変わってしまいます。
燃費の良し悪しは、メーカーだけでなく、ユーザーの責任でもあります。
あなたの運転で、燃費向上は可能です。
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